労働契約法第18条(有期雇用契約の無期転換規定)の特例法成立

「アベノミクス解散」で多くの法案が廃案になる中、春の通常国会から審議が継続していた労働契約法の特例法が成立し、さっそく公布されました。

労働契約法第18条では、「同一の労働者との間で有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えた場合は、労働者の申込により、無期労働契約に転換できる。」と規定されています。
これは、二つ以上の有期労働契約が更新されて、通算5年を超えた場合、労働者が希望すれば(申し込めば)、無期労働契約に転換しなければならないことを義務付けています。

例えば60歳で定年を迎えた労働者を嘱託再雇用し、1年毎の有期労働契約で更新を続け、65歳に到達したとします。
この労働者が優秀であるため更に雇用継続した場合でも、この労働契約法第18条の5年超の規定が適用されることになり、無期労働契約になる可能性が発生するわけです。

このようなケースでは、この労働者は60歳の定年も既に経過し、65歳までの再雇用期間も経過することとなり、実質的に定年の規定が適用されないこととなります

上記の例を踏まえた上で、今回の「特例法」の内容を解説したいと思います。

【特例法の主な内容】

①特例の対象者

 Ⅰ)「5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務」に就く高度専門的知識等を有する有期雇用労働者
 Ⅱ) 定年後に有期契約で継続雇用される高齢者

②特例の効果

 特例の対象者について、労働契約法に基づく無期転換申込権発生までの期間(現行5年)を延長
  →次の期間は、無期転換申込権が発生しないこととする
   上記①-Ⅰの者: 一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く期間(上限:10年)
   上記①-Ⅱの者: 定年後引き続き雇用されている期間

※特例の適用に当たり、事業主は、
   上記①-Ⅰの者について、労働者が自らの能力の維持向上を図る機会の付与等
   上記①-Ⅱの者について、労働者に対する配置、職務及び職場環境に関する配慮等
  の適切な雇用管理を実施することとしている。

【特例法の施行期日】 平成27年4月1日(予定)

【無期転換ルールの特例の仕組み】

①事業主による計画の作成・・・・対象労働者に応じた適切な雇用管理に関する事項を計画として策定する

②申請・・・厚生労働大臣に雇用管理計画を申請する

③認定・・・基本指針に沿った対応が取られると認められれば認定される

④有期労働契約の締結・・・高度専門労働者や定年後引き続いて雇用さる者と有期契約を締結

⑤無期転換ルールの特例適用
 Ⅰ:高度専門労働者・・・プロジェクトの期間中は、対象労働者について無期転換申込権は発生しない(ただし10年を上限)
 Ⅱ:定年後引き続いて雇用される者・・・定年後引き続いて雇用されている期間中は、対象労働者について無期転換申込権は発生しない

※なお、雇用管理に関する計画の申請の方法については、まだ具体的な方法が明示されていませんが、近々明らかになっていくものと思われます。

この臨時国会では、上記のような内容で特例法が成立しました。
上記の例は、特例法ではⅡのケースにあたりますが、多くの企業が採用している再雇用制度ですので、今後、特例法を適用するための計画申請のニーズが高まるものと予想されます。

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