改正・労働契約法を根拠とした初の提訴

本日(平成26年5月1日)、東京都内の鉄道会社の駅売店で働く非正規労働者(有期労働契約による労働者)ら4人が、売店を運営する鉄道会社の子会社を相手取り、正社員との3年分の賃金格差を含む計約4,250万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴しました。

平成25年4月に施行された改正労働契約法の第20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)を根拠に裁判に踏み切ったようです。

労働契約法第20条とは、同一の使用者と労働契約を締結している、有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることにより不合理に労働条件を相違させることを禁止するルールです。
今回の提訴は、この改正労働契約法を根拠とした初めての裁判となります。

提訴したのは、鉄道会社の労働組合員2人と、定年になった組合員2人でこの4人は、3カ月から1年の契約を更新しながら駅売店の仕事をしてきたようです。
訴状によると、正社員と非正規労働者の仕事の内容は同じなのに、賃金面で次のような格差があるとしています。
①賃金・・・正社員が『月給制』に対し、非正規は『時給制』
②賞与・・・正社員が年間約150万円に対し、非正規は59万円または26万円
③退職金・・・正社員にはあるが、非正規には無い

因みに、労働契約法第20条は、次の通りです。

(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)
第20条 有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。

なお、このルールの判断基準ですが、労働局の資料では、次のように解説されています。

対象となる労働条件は、一切の労働条件について、適用されます。
賃金や労働時間等の狭義の労働条件だけでなく、労働契約の内容となっている災害補償、服務規律、教育訓練、付随義務、福利厚生など、労働者に対する一切の待遇が含まれます。

労働条件の相違が不合理と認められるかどうかの判断は、
① 職務の内容(業務の内容および当該業務に伴う責任の程度)
② 当該職務の内容および配置の変更の範囲
③ その他の事情

を考慮して、個々の労働条件ごとに判断されます。
とりわけ、通勤手当、食堂の利用、安全管理などについて労働条件を相違させることは、上記①~③を考慮して、特段の理由がない限り、合理的とは認められないと解されます。

以上の通り、今回の提訴の労働者のケースでは、賃金面では確かに格差があるように見えますが、労働条件の相違が不合理と認められるかどうかについては、当該業務の業務内容やこの業務に伴う責任の程度配置の変更の範囲等が判断基準となります。
これらの基準が、総合的に評価・判断されることになると予想されますので、司法がどのように判断するのか、非常に興味深いところですし、これからの同様の事案の重要な判断材料となると思いますので、判決の行方を注視したいと思います。

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